問合せ対応業務と BPM を CRF 分析から考える!
Blog: Questetra SaaS BPM Blog
こんにちわ!クエステトラの矢作です。
この数回、システム開発会社のシステム保守・運用業務にBPMを適用することについて述べてきました。
これらの記事はシステム開発会社や情報システム部門で働く人にはよく理解してもらえるのですが、その他の企業や部門の人にはなかなか分かりづらいだろう、ということで、今回から数回は「問い合わせ対応業務」を対象に書きたいと思います。
「問い合わせ対応業務」とは、全ての会社に存在する業務であると言っていいでしょう。また「問い合わせ対応業務」はお客様との貴重な接点なので、企業にとって大変重要な業務です。
企業の販売活動において、お客様からの「問い合わせ」はどんな内容であっても 宝 ですしね。
僕が記事を書くとなると、結論は「問い合わせ対応業務」にBPMを適用すると効果抜群ですよ!ということになるのですが、なぜそうなるのかをまずは整理したいと思います。
何回か前の記事(業務プロセスのCRFからBPMの適用を考える!)で、業務のCRFについて説明をしました。覚えてくれてるとうれしい〜でも簡単におさらい。
業務を CRF の観点で分析し、C・R・F の全てで高いポイントを稼ぐ業務に BPM を適用すると良いという考え方です。
- Collaboration 複数の人と役割分担をして進める業務
- Routine ひとつの業務プロセスに従って進める業務
- Frequency 発生件数が多い業務
では、「問い合わせ対応業務」を CRF 分析してみるとどのような結果になるでしょうか?
まずは Collaboration(協働度) から
これはどれだけ多くの人と一緒に仕事を進めていくのか?ということでしたね。
「問い合わせ対応業務」に登場する人物は少なく考えても、次の2種類は考えられます。
- 問い合わせ窓口担当者
- 商品やサービスの取扱い専門部署
問い合わせ窓口の人が電話やメールで問い合わせを受け付け、必要に応じて専門部署に相談する、という流れを想像してみてください。
更に人が増える可能性があります。商品やサービスの取扱いの種類が多いと、専門部署の数が増えます。また、最終的に作成した回答をチェックする、内容によっては承認してからでないと回答を送ってはいけない、という組織もあるのではないでしょうか?
と考えると、
- 問い合わせ窓口担当者
- 問い合わせ窓口担当者の上司(承認者)
- 専門部署A
- 専門部署B
… というように、問合せ対応の業務には多くの人が関わります。
私(矢作)の感覚では、関わる人の数が3種類を超えてくると、十分に BPM の適用範囲に入ってきますので、「問い合わせ対応業務」の C Collaboration(協働度)はかなりポイントが高いと言えます。
次に Routine(定型度)
基本的な業務の流れが決まっているかどうか?という視点で「問い合わせ対応業務」を見てみましょう。
「問い合わせ対応業務」の基本的な流れは、
- 問い合わせ対応窓口が問い合わせを受け付ける。
- 専門部署の助言や調査が必要な場合には、専門部署が助言や調査を行う。
- 最終的に問い合わせ対応窓口が回答を作成して回答する。
というステップが考えられます。
超乱暴に言ってしまうと、あらゆる問い合わせ対応業務はこのような流れになっていると言っていいでしょう。
取り扱う商品やサービスの種類が多い場合には、専門部署が幾つも存在することになりますが、その場合には、上記の2番目のステップが専門部署ごとに用意されることになります。
また、回答前に承認を得なければならない場合には、3 を終える前に「窓口部門のマネージャが回答の承認を行う」というステップを入れることになります。
このように様々なバリエーションが考えられますが、これらは一度決めてしまえば問い合わせがあるたびに変更されるものではありません。
いつも同じ流れで、ボールをキャッチボールするかのように、関連する部署同士で仕事のバトンタッチをしていきます。
同じ流れで進めることで、ミスも減りますし、情報の伝達効率も上がります。得なければならない上司の承認を間違いなく得る(業務ルールの順守)事ができるようになります。
R Routine(定型度)もポイントが高いということがわかります。
最後に Frequency(頻度)!
月に数件しか問い合わせがないなど、少ない場合には BPM に取り組むことはそれほど考えなくてもいいでしょう。
じゃあ、どのくらいの頻度なら F のポイントが高い、と言えるのでしょうか?
様々な視点がありますが、次の2つの事象が発生したら BPM を適用するべきレベルにまで来てると考えてよいでしょう。つまり F のポイントが高くなってきた、ということです。
- 放置の発生!
- 「XXさんが対応していると思ってた…」といううめき声が聞こえるような状態。
- 誰がボールを持っているのかわからない状態。
- 二重対応の発生!
- 「まだ誰も対応してないと思ってた…」というためいき声が聞こえる状態。
- 問い合わせそれぞれの状況(対応中?未対応?もう終わった?)がわからない状態。
メールとExcelで何とか管理してきたけど、そろそろ限界!といった状態ですね。
こうなってくると、F のポイントはとても高いと言えます。
以上より、「問い合わせ対応業務」は CRF のいずれもポイントが高く、BPM を適用する価値がある業務であるということが分かると思います。
「問い合わせ対応業務」と呼ばれなくても、クレーム対応業務であるとか、社内の情報システムのヘルプデスクなども同じ種類の業務です。
これらの業務で「もっと質を上げたいな」「失敗をなくしたいな」と感じている人は是非BPMの適用を検討してみてください。
Questetra BPM Suite を問い合わせ業務で活用し、素敵な成果を上げている事例もあります。京都大学の事例を公開してますので、こちら(京都大学「問合対応フローの整備で問合窓口を集約」)もご覧あれ。
ちなみにBPMに取り組んでみよう!と思ったときは「BPMN超入門」と「ビジネスプロセスモデリングの鉄則」を参考にすると理解が早まりますよ!
今回はここまで!
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